ダニー・モーゼス氏は、映画・書籍『ビッグ・ショート(華麗なる大逆転)』のモデルとなった人物の一人であり、現在の市場が「火遊び」をしているような危険な状態にあると警告しています。
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分析概要
1.「K字型経済」の崩壊と資産効果の逆回転
モーゼス氏の主張の根幹にあるのは、現在の経済が極端な「K字型(格差拡大)」の状態にあり、それが限界に達しているという認識です。- 偽りの富: これまでの市場上昇による「資産効果(Wealth Effect)」が消費や経済を支えてきましたが、株価が下落に転じれば、その効果は一気に逆回転し、経済を急速に冷え込ませます。
- Kからkへ: モーゼス氏は、K字の「上向きの線(富裕層や資産価格)」が折れ曲がり、文字通り「小さなk」になるように、市場全体が下方修正されるプロセスが始まると予測しています。
2.「世界の終わり」トレード
現在の債務膨張と通貨価値の下落に対する究極のヘッジとして、モーゼス氏は金(ゴールド)とビットコインを挙げています。- 米ドルへの不信: 膨大な財政赤字を抱える米国において、もはや伝統的な債券は安全資産とは言えません。これに代わる「ハードアセット」としての金、およびデジタルゴールドとしてのビットコインが、システム崩壊(End Of The World)に備えるための主要な投資先(トレード)になると主張しています。
3.日本の金利動向と「円キャリー取引」の巻き戻し(重要論点)
日本の状況について、モーゼス氏は世界市場を揺るがす最大の不確定要素として非常に詳しく言及しています。- 「唯一の流動性供給源」の終焉: 長年、日本は「ゼロ金利(またはマイナス金利)」を維持し、世界中に低コストの資金(円)を供給する、いわばグローバルな流動性の「蛇口」でした。しかし、日本銀行が金利を引き上げ、この政策を転換せざるを得なくなっていることが、世界中の資産価格に甚大な影響を与えています。
- 円キャリー取引の崩壊: 低金利の円を借りて米国のハイテク株などで運用する「円キャリー取引」が、日本の金利上昇(および円高)によって強制的に解消(アンワインド)されています。モーゼス氏によれば、最近の市場の急落やボラティリティの正体は、この巨大なレバレッジの巻き戻しにあります。
- 日銀のジレンマ: 日本政府は膨大な債務を抱えており、金利が上がれば利払い費が急増して財政を圧迫します。一方で、円安を防ぐためには金利を上げざるを得ません。モーゼス氏はこの状況を「完全に詰んでいる(Checkmate)」と表現し、日本の金利動向が米国の債券市場や株式市場をクラッシュさせる「炭鉱のカナリア」になると警告しています。
4.商業用不動産と銀行セクターの連鎖リスク
2008年の金融危機(リーマンショック)との比較において、今回は「商業用不動産(CRE)」と、それを抱える地方銀行が危機の火種になると指摘しています。- 遅れてくる衝撃: 不動産価格の下落はゆっくりと進行しますが、金利が高止まりする中で、借り換えが不可能になる「審判の日」が近づいています。これはかつてのサブプライムローン問題と同様、システムの脆弱な部分から崩壊を招く要因となります。
Danny Moses氏
Google GeminiによるAI生成画像