2003年1月5日号

 新年おめでとう−とは言いたいところだが、今年もあまりいい年ではなさそうである。
わが金融界は、昨年に引き続き不良債権処理のピッチ上げを余儀なくされるだろうし、その煽りを受けて超過剰債務の企業は、より一層のリストラ・整理淘汰が必要となろう。となれば巷の失業者は増える一方に。社会不安は増すばかりだろう。
新年早々、あまり景気のいい話ではないが、今年は未年。動物の羊になぞらえて、できれば穏便で平和な年であってほしい。しかしながら願いや期待は、ただ安閑と待つだけではだめ。悪戦苦闘して、最善の努力をして、後に叶うものなのである。従って年頭にまず、しっかりと今年の「目標」を立てることが肝心だ。
バブル崩壊後、不良債権問題が国家の最重要懸案政治課題となって久しいが、いわずもがな。かつて銀行が不要不急に貸しまくった結果がバブル景気を生んだ。一方、一部大手企業は無計画な拡大経営を続けて借りまくった結果、今、にっちもさっちもいかなくなっているわけである。
また倫理観のかけらもなく借金を「屁」とも思わぬ連中がサラ金から借りまくり、挙句の果てに弱気の奴は自殺の道に。強気の輩は強盗殺人など凶悪犯罪へ。企業も個人も能力以上の借金をすれば、結果は同じ「地獄への道」なのである。
小社事務所のあるJR神田駅周辺のビルというビルには、サラ金看板が満艦飾で、まさに「金貸し街」である。路地裏の業者を含めれば、約一千軒近くあるという。十日に五割の暴利を貪る悪徳業者もわんさといる。
政府予算も国債比率が五割近い。借金王国日本−。今年は何とかならぬものか。

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