1999/10/5号
越智再生委委員長、深谷通産大臣に
中小企業対策の期待高まる
”直球”から”変化球”へ。小渕第二次改造内閣で金融再生委の委員長に越智通雄国務大臣が就いた。同氏に期待されるのは、長期不況で半ば仮死状態にある日本全国の中小企業・商工業者に、どうきめ細かい金融対策を講ずるか−ということだろう。柳澤前金融再生委員長は、初代という立場もあって、長年、護送船団金融行政で癒着・硬直状態にあった”悪”の部分の不健全金融機関に、思い切って大鉈(なた)をふるい、世に言う不良金融機関の整理・淘汰に多大な効果を挙げた。その反面、柳澤”だんびら行政”の”負”の部分も顕在化した。金融健全化を第一義に自己資本比率国内基準四%必達を金融行政の金科玉条としたため、全国の金融機関で「当局検査による要注意先等への追加融資停止」という形で貸し渋りが横行した。特に利益率、収益力の弱い中小企業や商工業者への専門金融を担う相互扶助金融機関の信用金庫にも厳密な当局査定による四%基準達成を求めたため、追加融資を認められずにはみ出された中小零細商工業者は、活路を街の高利な金融業者に求めた。”事業者向け無担保融資”世に言う”商工ローン”である。扱う業者の貸付残高は逐年対前年比を更新中で、都会地中心にすでに一兆円を軽く突破中とも言われる。その資金源は銀行筋?今の行政は矛盾だらけなのである。

対等合併はすでに限界
自己資本比率0〜4%が問題に


“地域不密着経営”で新潟中銀、破綻


「信金の信頼度を増す絶好の機会に」
ペイオフ対策で渡邊東北信協会長語る
仙南信用金庫の会長で東北地区信協会長ならびに宮城県信協会長でもある渡邊佐男氏は、過日、金庫本店で小紙記者と面談し、ペイオフ対策について、大要、次のように語った。渡邊会長は、ペイオフはやらないに越したことはないが、やる場合には、お客さんに絶対的に安心してもらえるよう、政府サイドでセーフティネットを構築し、それを周知徹底してもらうこと。またペイオフ実施の如何にかかわらず、この機会を、信金業界が顧客により信頼され、これからも安心して取引を願うためには、地域金融機関として今後どうすべきかを真剣に考える絶好の機会と認識すべきである−と強調した。  



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