1999/4/5号
信金年金、依然、危機続く
ー大木理事長、抜本改革へ

新会計基準の導入や資産運用利回りが平均でもマイナスになるなど、 予定利回りを大きく下回ることによる大幅な積立金不足等々から、縮小ないし解散する企業年金が少なくない。
全国有数の規模をほこる信用金庫年金も、昨今の株式市場の低迷や運用下手な金融機関のために、昨年約一千億の積み立て不足に陥り、払込金を値上げに追い込まれ、その動向に全国十六万人近くの信金年金加入役職員の関心が集まった。
平成九年度までの不足金については「資産の再計算」により穴埋めしたものの、運用手段の主力である国内株式市場が相変わらず大幅な低迷を続けて推移したことなどから、さる三月に行われた代議員会では、昨年十二月末の運用実績で約八百億近くの歳入不足が生じることとなり、再度再計算によって不足分を補填せざるを得ない緊迫した状況に陥っていた。
ところがこの代議員会後に、主要金融機関に公的資本注入が決まり不良債権処理にめどがついたことなどで日本株が好評価され、またダウ平均株価一万ドルの大台到達に沸くニューヨーク市場に引っ張られるように日本の株価も上昇。一万五千円台を越え一万七千円近くまで回復したことを受けて、今回は何とか再計算による穴埋めを行わずにすむことになったもの。
しかしながら、今回の株価上昇によっても積立金不足は依然解消されておらず、また信金年金自体が非効率かつ非競争の長年の慣習に基づいた資産運用先の決定や、運用手数料の前払いなど旧態依然たる風潮が事務局職員や信託銀行などの運用先に残っていることなどから、抜本的な改革が急がれている。

国民銀行、ついに破綻
五島慶太氏、小佐野賢治氏…
私略、政略に躍らされた銀行
四月十一日、国民銀行は予期せぬ報道による急激な預金の流出のため、資金ショートに陥り、破綻した。経営悪化の裏には、五島慶太氏、小佐野賢治氏らによる同行私物化の歴史があった…。

都内、地価下落続く (バブル直前、バブルピーク時との比較表付き)

リレー随想7ー川崎信金・寺尾嘉剛理事長
「変革の時こそ、不易流行」