2004/2/5号
フィッチ格付に非難囂々(ごうごう)
−信金業界、訴訟も辞さぬ勢い?
 さる一月五日付の全国経済紙一面記事にフィッチ社なる格付会社による全国信金の格付け記事が、傍系新聞にフィッチ社の全面広告が掲載された。いま日本の金融業態の中で公的資金も入れず、最も堅実で安定感があると言われる信金業界がビックリするようなが大々的になされた。五日からの仕事初めに的を絞ったような報道振りに、あまり聞き慣れない格付会社のフィッチ社は効果覿(てき)面のようだが、報道された側の信金業界では非難轟々(ごうごう)、信用不安助長で訴訟も辞さない勢いである。そもそも信金は銀行と違って上場もしていないし、従って投資家の投資対象でもない。にもかかわらず「足銀の次の経営危機は信金」とばかりに、全国信金が軒並み星マーク等による優劣差を付けられたのでは、たまったものではないというわけである。顧客から「お宅は星が付いていないが大丈夫か?」などとしきりに経営内容を不安視されたのでは、迷惑千万。ペイオフ全面解禁一年前に信用不安につながりかねず、各金庫は手を焼いている状況にある。その間にも三ツ星マークを得た信金の一部は勝ち組顔≠ナ格付レポートを得意先係がライバル金庫の顧客にバラまいている。
 
●N(見劣り)評価が多く、風評リスクの懸念
●「お宅は危ないのか」−不安になった顧客が各信金に問い合わせ
●「何でうちがN(見劣り)なのか」「フィッチは風評被害に責任取れるのか」−各信金、激怒
●面談取材もないのに、「経営能力を見た」と…
●都地銀と互角に張り合う堅実信金がなぜN評価に?
●真の信金力の実感とはズレが
●「自己資本比率偏重の評価か?」
●銀行には9段階だが、信金には三ツ、二ツ、一ツ星、Nと大ざっぱ…
●銀行には信用格付け、信金では財務力格付けだけ?
●モルガン・スタンレー証券、「大ざっぱで情報不足」「勝手格付けでマスコミの注目引き、発行体に格付けを依頼させる見苦しい営業姿勢」と酷評
●「フィッチは信金をわかっているのか」
●フィッチとは、どんな格付け会社なのか?
●国債リスクも大きいはずだが



足利銀行破綻
−栃木経済はいま
 平成十三年の暮れ近くの十月には、大正十二年二月の創立で七十八年の歴史があり、業容では県内随一だった宇都宮信金が経営破綻し、その二年後の平成十五年十一月には、これまた県都・宇都宮市に本店があり、創業百八年の歴史と伝統のある地銀の雄=足利銀行が音を立てるがごとく経営破綻した。共に県内では名門中の名門金融機関として県民から、地元民から最も親しまれ愛されてきた銀行であり、信用金庫でもあった。明年四月からのペイオフ全面解禁前に「なぜ名門金融機関が二つも。それも県都市内に隣接して本店・本部のある金融機関が−?」といった疑問は尽きないようである。本紙ではその疑問の一端に応えるため、県内事情に通じた複数の関係者に密着取材し、談話形式で特集した。

〇栃木県緊急経済活性化県民会議が発足したが
〇甘かった融資基準
〇栃木県のゴルフ場はほとんどがダメ…
〇温泉地の実情は…
〇「県民銀行」構想や、常陽、群馬銀での首都圏銀行構想の実現性は…
〇破綻で、日向野前頭取、ホッとした?
〇「宇都宮信金は信金の原点から外れていた」
〇政治家、土建屋と密着関係だった破綻信組−真岡信組はしっかり堅実


企業再生支援に本腰
−Σバンク、経営改善書作成支援セミナー開く
 企業再生支援活動を積極的に展開するシグマバンクグループ(足立成和、亀有、小松川、東榮の四金庫による業務提携)では、中小企業金融公庫から講師を招き、一月十七日、亀有信用金庫本部四階ホールにおいて『経営改善計画書作成支援セミナー』を開催した。


信金は芸術でも目利き
−東海地区信協、信金所蔵絵画展開く
 【静岡】東海地区信協(会長・秋田一吉氏)並びに静岡県信協(会長・鈴木富士男氏)では、一月二十七日(火)から二月一日(日)まで、静岡市の静岡県立美術館において、「信用金庫所蔵日本画展」を開催している。
 東海地区信協では、東海地区のみならず全国の目利き°煬ノに所蔵絵画の出品を依頼し、信金制度五十周年記念で平成十三年に日本画展、十四年に日本洋画展(いずれも名古屋で)を開催してきたが、良質な作品が一堂に集まるこの絵画展は毎回、好評を博すとともに、「信用金庫はこんなに財力と審美眼があるのか」と信金の信用力とイメージアップにも一役買っている。
 このため今回、三度目の絵画展を行うもので、今回は、静岡、静清、浜松、岐阜、関、豊田の各東海地区の信金と、湘南、青梅、京都中央、広島信金が協力出品。
 上村淳之、川合玉堂、平山郁夫、横山大観といった日本画を代表する三十六作家の五十四作品が集結した。







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