2003/7/25号
「運用」惑わす、株・国債市場
 りそな銀への公的資金注入決定、イラク戦争とSARSの終息で、金融システムや国際情勢に対する「不安」ムードが急激に薄れ、もともとリストラにより企業業績が改善されてきていた日本株が評価され、選挙対策の減税施策出しまくりで消費が刺激された米経済と米株式市場の上昇と円高傾向もあって、外人投資家が日本株買いに乱入=A一兆円超という大幅な買い越しに出た。さらにこれを見て、運用難に耐えに耐えてきた日本の個人投資家が勢いづいて雪崩れ込み、インターネットで回転売買を始めた。
 このため、株価は「十週間で三割上昇」(竹中金融大臣)という急騰≠ヤり。五月には八千円を割っていた日経平均が、七月上旬に一時「一万円」を突破した。
 一方で、債券売り(株へのシフト)→長期金利が一時一・四%までハネ上がり、債券価格が下落。財務省は、人気だった個人向け国債に大量の売れ残りを出した。
 この長期金利の突然の高騰(債券価格の下落)に、融資需要の少なくなる中、国債をジャブジャブ買い込んできた各金融機関は国債評価損を出し、真っ青≠ノ。日銀に「長期国債の買い入れを増額してくれ!」と悲鳴が上がった。
 現在は、財務省の円高望ましくない発言%凾ノよる為替介入、米の財政赤字更新や、急に上がりすぎた反動でか、日本の株式市況も落ち着き、九千五百円から九千八百円の展開になっている。長期金利も一%前後に落ち着いている。
 結局、あれは、ごく短期的な動きだったのか。それとも、中期的な潮目≠ェ変わる「転換点」だったのか?
 今後、株価、長期金利、債券価格はどのように推移するのか? 各金融機関から今後の見方を伺った。

ひがしん、静かにスタート
−旧小岩本店、西小岩支店に
 東京東信金と小岩信金は、七月二十二日対等合併し、一兆五七百億円都内第二位の信金としてスタートした。  当日はテープカットなど合併セレモニーは行なわず、新スタートを告げる告示やちらしが店頭におかれたものの、大型信金スタートとしては静かなスタートとなった。

アルプス中央信金、期待込めスタート
 赤穂信用金庫と伊那信用金庫が七月二十二日合併し、「アルプス中央信用金庫」としてスタートを切った。新金庫の預金量は約二七二〇億円。当日は、朝八時四十五分から本店(伊那市荒井区、旧伊那信金本店)で渋谷敦士理事長、阿部凱人専務理事らがテープカットを。赤穂営業部(旧赤穂信金本店)でくす玉割りを行った。

新生・芝、雨のスタート
−旧・東調布本店でテープカット
 東調布信用金庫と芝信用金庫は、七月七日新生芝信用金庫としてスタートした。  当初は、厳しいデフレ不況の中お客さん達のためにも、無駄なセレモニーを省き日常業務を通じて新生芝信金の堅実・健全性をPRする予定だったが、合併で本店が消える旧東調布本店で、あいにくの梅雨空の元急遽石原理事長、長久保定良会長、総代らが出席する中、テープカットが行なわれたもの。

いちい信金スタート
 愛知県北西部に位置する一宮信金、愛北信金、津島信金は、七月七日合併スタートした。  同信金は、存続金庫の一宮だけでなく、「いちい」の木と、「経営内容・地域育成」「一位」の期待を込めて命名されたもので、当日テープカットした能田昌孝理事長は、合併にあたり、地元の期待と信頼に一層応えられるようとの決意を語った。

信金のリレバン対応、様々に
 三月末に出されたリレーションシップバンキングのアクションプログラムは、信金などの地道な地域貢献活動が評価されたものと言われたが、その後の金融庁側の説明会等で、地域金融の場合、ペイオフ解禁までの二年間を業務改善期間として、地域活性化を進めながら、地元中小零細企業を育成することがリレバンの主旨といわれた。また殆んどの信金が行なっているボランティア的な社会活動は、「地域貢献とは認められない」とされ、業務面での貢献がポイントとされたが、この点について全信協が信金活動の一環としての地域貢献活動を積極的に評価すべきと、金融庁との交渉を続けた結果ある程度認められることとなった。こうした中で、実質的な地域活性化策としてこれまで摂津水都信金や西武信金等が行っていたビジネスマッチングや朝日信金の中小企業支援の財団などが行っていたような地域・企業への業務支援策を、他の信金でも積極的に行うところが出てきた。

〇−大阪信金、だいしん産学連携共創機構
〇−webでビジネスマッチング−碧海信金
〇−地元優良企業表彰を−多摩中央信金
〇−尼崎信金、企業再生室を設置へ


総代会特集
〇三氏が常務、四氏が理事に−朝日信金
〇業純90億円に−碧海信金
〇津金氏が理事、神谷専務が監事に−大阪市信金
〇2期連続の最高益、業純233億円に−京都中央信金
〇役員を大幅異動−横浜信金

素人投資家が行く
−本紙記者、高配当に釣られる
☆記者の投信が〇〇〇銀行株と×××銀行株を大量買い込み。ついに自壊か?!
☆りそな銀行救済≠ナ株価急沸騰
☆値を飛ばすIT株を無視し、てんで違う業種を買う
☆高配当に釣られたが、割高株だった?!





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