2002/5/15号
近信協、分裂の危機孕む!


使うに使えぬ売掛債権
−検査マニュアルの配慮を…の声
 不動産担保以外有効な担保を所有しない中小零細企業の有力な担保として、「中小企業金融の構造改革と中小起業者の円滑な資金調達の確保を図るため」昨年末に経済産業省の肝入りでスタートした売掛債権担保融資保証制度。
 ところが、フタをあけてみると、五月に経済産業省が発表した二月から四月までの保証実績状況では、保証申し込みが九百一件、三二四億円に対し、承諾が五百六件、一三二億円にとどまり、利用は進んでいない。

民間金融機関からの預金シフト続く
 

「あさま山荘事件」から30年
−信金中金、協賛で試写会開く
 政治の季節だった一九六〇年代から七〇年代。冷戦のさなかアメリカがベトナム戦争を拡大、北爆を行った頃、パリで始まった学生デモが瞬く間に世界中に飛び火。処遇改善がいつしか「世界に平和」との学生運動に盛り上がった。
 こうした中で、日本でも学生の地位向上からスタートした学生運動が、七〇年の日米安保協定見直し問題とリンクして、ベトナム戦争反対・安保協定粉砕の一大運動となり、各地で大規模なデモを行ったり、大学でもバリケードを築いて、授業をボイコットなどして、日本の将来、社会との共存などを模索した。
 これはまさに、高度成長を続ける中で戦前の価値観と、戦後ゼネレーションの世代間ギャップが真っ向から衝突した象徴とも言えるだろう。
 一方で、取り締まり側も治安維持を旗印に「戒厳令」を思い出させない―とのことで、武装せずに棍棒とジュラルミンの大盾で保護し、放水車をつかってデモ参加者を追い散らす機動隊で対抗。次々に学生達を検挙していった。
 六八年の東大安田講堂の陥落前後から、全学連・全共闘としてまとまっていた学生達の運動に対する価値観も分裂。穏健派から赤軍など世界の反米勢力と結びついたものまで、同じ学生同士で勢力争い―内部抗争する事態となった。
 こうした中で、一部過激派は、「武装革命」の名の下に全日空「よど号」ハイジャック事件を起こしたり、三菱重工爆破事件など連続企業爆破テロを起こし多数の民間人犠牲者を出すなどエスカレートしたものの、次第に学生達からも社会からも遊離し追いつめられていった。そして一九七二年二月、京浜安保共闘と赤軍が合体していた「連合赤軍」は、群馬県の山中に追いつめられ、軽井沢の別荘「あさま山荘」に管理人の妻を人質に立てこもった。
 これが「あさま山荘」事件である。
 今回の映画は、事件から三十年を迎えたことから、当時警視庁警備局付監察官で事件解決のために現場指揮を行った佐々淳行氏が書いた原作を元に映画化されたもの。立て篭もる連合赤軍五名と、長野県警、警視庁あわせて一六三五名との、人質救出までの攻防を描いたドラマに仕上がっている。
 五月八日午後六時半から東京・有楽町の読売ホールで行われた試写会で講演した佐々氏は、当時の状況を取り締まり側から説明。当時の現場の状況。こうした極限状態の中で、組織の中での危機管理のあり方や、セクショナリズム・軋轢の生じた中でいかにチームワークを発揮して機能させるかを、今の管理職の人たちに見てもらいたい―と語った。
 なお信金中金が協賛企業として映画制作に協力。当日の試写会で、信金中金の認知度のアンケートを行った。  

理事長も「営業マン」!?
−頼れる朝日、PR
 塚原理事長が自転車に颯爽と乗り、空を見上げて、「どんと来い。」と叫ぶ。
 朝日信用金庫(理事長・塚原和郎氏)では、五月連休明けより、こんなインパクト絶大のポスターを展開している。理事長のモノクロ写真に、大きなオレンジ色(朝日信金のコーポレート・カラー)の活字が際立ち、実に目立つ。
 同金庫では、ペイオフ解禁後も顧客に安心感を与えるとともに、新エリアでの知名度アップを図ることを目的に、「四金庫合併で規模も人材も支店もパワーアップし、顧客の要望に一層応える新・朝日信金」をアピールすることを企画。これを、「どんと来い。」というキャッチコピーと、自転車に乗る人物で表そうということになった。

三浦藤沢信金、市民コーラスと加藤登紀子の集い
 【横須賀】三浦藤沢信用金庫(理事長・小川善久氏)では、五月十一日午後二時より、「第十六回市民コーラスと加藤登紀子の集い」を、よこすか芸術劇場で開催した。今回は長年に亙る交渉の末、大御所の加藤登紀子さんが出演とあって、開場前から長蛇の列ができ、会場の五階席までびっしり満席。沢田横須賀市長夫妻や、TRI−BANKの平塚、さがみ両信金の役員も含め、約千八百名の観客が参集した。
 開演に先立ち、小川理事長は「『良いお客様に恵まれているから、金庫も健全である』ということを忘れず、『信頼』の二文字を大切にし、これからも安心できる金庫を築いて参ります」と挨拶し、今後共の愛顧をお願いした。
 今回、特別企画として、加藤さんと市民コーラスグループが『百万本のバラ』や『Seed in the fields』を合同合唱。加藤さんは朝八時に会場入りし、開演直前までコーラスグループと練習を重ねただけに、息はピッタリで、実に一体感のあるステージに。加藤さんも笑顔で溢れ、コーラスの子供達に声をかけたり、得意のステージ座り≠煬ゥせるなど、乗りに乗った様子。最後は、名作『知床旅情』を観客と共に歌い、金庫やファンからプレゼントされた花束を高く掲げ、笑顔でステージを降りた。




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