2002/5/5号
「今、正念場。東信協の役割、益々重要に!」
−大前東信協会長、就任記者会見
 東信協では三月十五日の理事会で茂木 勇・西京信金会長に代わり、大前孝治・王子信金理事長が第十八代目の東信協会長に就任し、四月三十日、大前新会長が信金第二会館にて記者会見を行った。大前会長は「今は経営環境が厳しい正念場の時期であり、東信協の役割は益々増している。業界が一丸となってこの難局を乗り切りたい」と力強い決意を述べ、今後の東信協の方針を語った。

○決済性預金ペイオフ、景気回復まで延期を!
○検査マニュアル、弾力化を評価
○副会長には上川名東京信金会長が


地域金融の評価変わるか!
−「金融アセスメント法」国会審議中
 信用金庫や信用組合など地域金融機関が地元地域経済・産業発展のために果たしている役割を、自己資本比率だけでなく別の見方から評価できないか…。
 個別では銀行よりはるかに規模が小さい信金・信組などにとっては、銀行と一緒の規模や自己資本等で単純に比較され、単純に「規模が小さいから安心できない」金融機関として淘汰されかねない。特に市場や各種格付け機関から評価される一般銀行に対し、協同組織金融機関は制度への理解不足などから、中小企業や零細企業など中小企業金融の実践や育成金融を行っていたことが評価されず、マニュアル検査でも見られたように殆ど自己資本比率のみで経営が測られてきた。
 こうした中でペイオフ解禁時代を迎え、単に規模の大小や自己資本比率だけの物差しで地域金融機関を判断するのではなしに、地域での活躍―産業育成や地域活性化への貢献など別な判断基準で評価しようとここ一、二年検討されてきたのが、今国会で審議されている「地域金融の円滑に関する法律案」―いわゆる金融アセスメント法案である。

大阪府信協・溝口会長
中小企業融資の実態、訴える
 五月五日放送の朝日放送『サンデープロジェクト』では、「不良債権処理の現場で何が起きているのか〜中小企業 再生の条件〜」とし、検査マニュアルが中小企業を苦境と破綻に追い込んでいる現実を特集した。この中で大阪信金が中小企業の実態と検査マニュアルの齟齬により、中小企業向け金融機関である信金でも思うように貸出ができなくなっている実状を、現場の立場から率直に訴えた。

相思相愛@搗zの合併へ
足立・成和、合併記者会見
 東京・足立区に本店を置く足立信金(理事長・井上映治氏)と成和信金(理事長・田茂美佐夫氏)では、来年一月二十日をメドに対等合併することで合意し、四月二十五日、信金第二会館で記者発表した。
 新名称は足立成和信金。理事長には井上映治氏(足立・理事長)が就き、成和・田茂理事長は副理事長に就く。存続金庫は手続上、足立信金とし、本店・本部とも足立信金に置く。
 足立信金 本店=足立区千住一‐四‐十六◇本部=足立区竹の塚五‐十五‐八◇理事長=井上映治◇預金=二四六一億八三百万円◇貸出金=一四六七億五七百万円◇役職員数=三五二名◇店舗数=二十店  成和信金 本店・本部=足立区梅田八‐二‐十六◇預金量=一〇一一億七二百万円◇貸出金=六〇八億三六百万円◇役職員数=一九三名◇店舗数=十店

春の叙勲
−信金界では10名が受章
 政府では四月二十九日のみどりの日、春の叙勲受章者を発表した。信金業界では、勲四等瑞宝章に浜松信金・鈴木会長、館山信金・本間理事長が輝くなど、総勢十名の受章となった。
《勲四等瑞宝章》
鈴木富士男(浜松信金・会長)
本間 明(館山信金・理事長)
《勲五等双光旭日章》
塩野 章(札幌信金・元会長)
高橋伸治(永和信金・理事長)
石井哲男(福鞆信金・理事長)
《勲五等瑞宝章》
古川良二(加茂信金・会長)
勝間田一男(駿河信金・元理事長)
伊藤照夫(桑名信金・理事長)
村田榮三郎(津和野信金・理事長)
三島一郎(東山口信金・元理事長)(敬称略)

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徳島、鳴門信金、合併を決断
 【徳島】徳島信金(本店・徳島市、理事長・長尾憲男氏)と鳴門信金(本店・鳴門市、理事長・松浦恭之助氏)では、一層の経営体質強化とスケールメリットの追求を目指し、今年十一月をめどに対等合併することで合意。さる四月三十日、合併基本協定書に調印し、記者発表を行った。
 手続き上、徳島信金を存続金庫とし、名称も徳島信用金庫。本店は徳島信用金庫本店(徳島市紺屋町)に置き、理事長には現徳島信金理事長の長尾氏が就く。
 徳島信金は預金量が一四七一億円、鳴門信金は四八三億円で、今回の合併により預金規模は約二千億円となり、四国の十二金庫中、四位となる。
 【徳島信金】設立=昭和二年九月。二十六年徳島信金に改組、四十一年三月に池田信金と合併◇本店=徳島市紺屋町八◇理事長=長尾憲男◇預金量=一四七一億四六百万円◇貸出金=九九七億三二百万円◇店舗数=十七店◇経常利益=五億六九百万円◇当期利益=四億〇七百万円◇自己資本比率=七・七八%
 【鳴門信金】設立=大正五年四月。昭和二十六年鳴門信金に改組◇本店=鳴門市撫養町斎田字大堤十三‐二◇理事長=松浦恭之助◇預金量=四八三億六四百万円◇貸出金=二七七億六一百万円◇店舗数=八店◇経常利益=二億五二百万円◇当期利益=一億三八百万円◇自己資本比率=七・〇二%(平成十四年三月末。経常利益、当期利益、自己資本比率は十三年三月末のもの)

信用金庫、1年強で44信金消える
 平成十四年四月からのペイオフ解禁前に、「体力の弱いところ、問題のある金融機関などを事前に排除せよ」。
 まさに金融庁からそんな号令があったかのように、昨年から今年にかけて、中小金融機関を巻き込んで凄まじい勢いで合併・事業譲渡の嵐が吹き荒れた。
 信金業界でも、昨年四月から今年三月にかけて破綻・事業譲渡されたところは、十一信金。体力的に問題ありとされて小さいところが次々と破綻していった信用組合と比べ、信金の場合は、地域経済の不振や自己資本未達など様々な理由で破綻したが、自己資本比率の物差しで測る「マニュアル検査」は、中小企業金融を理解していないとして、多くの波紋を呼んだ。
 ようやく検査マニュアルの弾力適用や、中小企業金融向けに別冊マニュアルを作成したり、地域金融を別の物差しで測るいわゆる金融アセスメント法などが、審議されたりして、単に自己資本比率や諸リスクだけの検査から、中小企業金融、地域金融の実態に即した検査へ方向転換しようとしている。
 一方で、これに輪をかけているのが、同じ経済圏、同じ地域圏を共有している信金同士の合併だ。
 定期性預金のペイオフ解禁による預金者の大銀行や郵貯シフト、定期性から流動性へのシフトなどから、経営体質の強化、効率化やスケールメリットの追求など、金庫同士の思惑や方向性だけでなく地域の要請などもあって合併が進んでいる。昨年四月一日から今年四月末までに合併ないし合併予定の信金は三十一信金に上る。【信金再編詳細表付き】

川崎信金、ペイオフ対策にコンシェルジュ配置


川口信金、副理事長に山口専務昇任





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