2002/4/15号
次期システムは、まさに信金業界を象徴!
−競争原理で早く安く −但し、CIO的役割が必要に 
 四月一日、世界最大級のメガバンク発足として注目を集めたみずほ銀行だが、新発足早々大規模なシステム障害が続き、何回かの完全復旧宣言にもかかわらず後から出て来る各種障害で顧客・取引企業も大迷惑を被っている。三行の派遣争いからシステム統合ができずに旧システムを残してつなぐ−という一時凌ぎの方式で対応したための結果だが、更新期を迎える各金融業態に大いに警鐘を鳴らすとともに、「みずほ」も新たなシステムに作りかえることになった。一月にスタートしたUFJ銀行でも、小規模ながら同様のトラブルが起きたとされるが、金融機関の一連の合併・再編等による統合戦略の中で、いかにシステム設計・システム開発が最重要の課題となっているかを如実に示す反面教師の事例として、大きな教訓を残したと言えるだろう。こうした中で、信金次期システムを巡って、数年来、既存システムの延長でいく共同センター側と、新システムで新時代への対応を図るとする全信協次期システム側で各種論議がなされてきたが、このほど全信協による時期システムの答申がまとまりシステム概要やコスト面が明確になったことから、四月二日〜十五日まで、全国主要地域で会員金庫向けに説明会を行った。

○現システム延長ではトラブル起きやすい
○一から作り直した方が早く安く安全に
○なぜ安くなるのか?
○「市場原理」が価格下げる
○必要なものだけソフト開発
○次期システムの問題は?
○信金は次期シスで何ができるのか…


みずほ、システム醜態!
「責任者」不在で、障害大
 「合併における、システムエラーは不可避」。「小さなトラブルで終わればもうけもの」。合併した金融機関のシステム担当者がため息とともによく漏らす言葉だ。  システム統合は、金融機関経営の根幹にかかわらる問題だったにもかかわらず、これまでさほど重要視されてきたとは言えないだろう。  特に昨今の都銀のメガバンク化の中で、システム統合は、今後の銀行戦略の中で一番重要なIT戦略を左右する業務部門であるため、CEO(最高経営責任者)だけでなくシステム戦略の責任者であるCIO(最高情報責任者)を副頭取クラスとして専門に設けるところもある。今回世界に醜態をさらしたみずほ銀行も「IT戦略は新行の基本」として、新発足する銀行の基本戦略の位置付けをしていたが、実態は…。

経費半減、全国システムに最大関心
東京共同加盟金庫、厳しい環境に切実な声
 「東京センターで設備投資をやる場合には、理事会で勝手に決めないでもらいたい。総会で決議してほしい」「全信協の次期システムを無視して、東京共同センターが自らの設備投資を決めて押し切るというのは、納得が得られませんよ」−−。  二月の信金東京共同事務センター総会、三月の理事会は、会員金庫から執行部への切実な意見が次々飛び出し、大揺れとなったと言われる。  

「共同センターは先駆者」
−「全信協は正当な評価を」の声
 

「金がかかること止めて!」(本音)
−全信協、リーダーシップで決断を!


金融庁、実態に合った中小企業・検査を
−中小企業融資用別冊金融マニュアル作成へ


関東財務局景況調査
−「在庫調整」「リストラ」で、景況上方修正へ…
 平成十三年度はペイオフ解禁を前に、金融機関の不良債権処理や金融機関自体の整理淘汰が進んだ。
 この処理が進む中で、ダイエーは何とか救済されたもののマイカルの破綻や銀行の不良債権の元凶である大手、準大手ゼネコンの破綻。多数の中小・零細企業の倒産等が相次ぎ、戦後最悪の倒産件数を更新することになった。
 一方で、企業では大幅なリストラ効果で黒字となったり、在庫調整で黒字化するところが最近になって出てきた。このリストラ効果は、いわば自分の身を削ってスリム化するため、産業を押し上げるだけの波及効果に至っていないのが現状だ。
 こうした中で関東財務局は、四月十五日、都内・関東地域の最近の景況動向について発表した。  

大和・あさひ合併で来秋「りそな」へ
−「埼玉」銀行の復活も…
 大和銀行とあさひ銀行、近畿大阪銀行、奈良銀行の持株会社の大和銀ホールディングスでは、来秋をめどにあさひ銀行の埼玉地域を分離して、関西地域の再編と大和・あさひ本体の合併を行う統合・再編計画を固め、金融庁と最終調整に入った。

「中小企業の手形は割れない!」
−中小金融も機能不全¥態に…
○信組、信金破綻で中小企業は右往左往
○手形も割れない…
○銀行はさらに中小企業金融はムリ
○二、三年後に日本は廃墟=H


中金、業界の健全性≠ダイレクトに
−信金中金、ペイオフ対応≠フTV−CM
 ペイオフ解禁時代を迎え、信金中金のCMが様変わりした。これまではイメージCMが多かったのだが、信金中金と信金業界の健全性を前面にアピールするものに一変した。




新聞購読のご案内新聞購読のご案内読みもの出版のご案内出版のご案内