2002/2/25号
公金預金、個人預金、逃げる
−ペイオフ恐慌、すでに始まっている
 四月のペイオフ解禁を前に、民間金融機関の預金が大移動を始めた。信託銀行は昨年九月頃から、長信銀は一昨年三月から預金減少傾向が続いていたが、信組も破綻が続いた地域では、他の存続地域信組まで軒並み影響を受け、二〜三%の減となってきた。また去年から預金が増加に転じていた第二地銀が今年一月に入りガックリ腰折れし、預金量が▲〇・七%(実質預金・前年同月末比)になった。また地域で絶対的信頼を誇る地銀、「地域密着金融機関」を標榜する信金も、預金量(前年同月比)は〇〜一%台の伸びで、実質「頭打ち」。コツコツとした地域密着の営業戦略で定評のある信金や、一兆円以上クラスの大手信金、自己資本比率の高い信金筋からさえも、「一月頃から預金の伸びがパタリと止まった」「一千万円までは預金してくれるが、それ以上は郵貯へ流れているようだ」などの声が出始めた。ここへきての預金減少や頭打ちは、大都市部、地方部、地域密着、不密着、規模の大小を問わず全民間金融機関を巻き込んだ全国的な現象に広がっているようだ。

◇「どこも信用できない!」浮き足立つ個人、地公体
◇某銀行の資金ショート危機収拾劇
◇定期預金を作るのに「2時間待ち」の東京三菱
◇兆円クラスの金融機関も信頼されず?
◇「自己資本比率」と言われてもサッパリの預金者
◇預託金や収納金さえ引き揚げようとする自治体ら
◇政府と金融庁で公的資金バトル
◇大手行の巨額不良債権の重荷が今なお…


「うしん」から「とちしん」へ!
−2/25、宇都宮信金、県下5信金へ譲渡
 昨年十月に破綻し、栃木信金など県内五信金への分割譲渡が決まっていた宇都宮信金の事業整理がこのほど終わり、二月二十五日それぞれの受け皿金庫へ正式に店舗譲渡が行われた。このうち、宇都宮市内を中心に七店舗を引き受けた栃木信金では、八時四十五分から宇都宮市中央一丁目の宇都宮営業部(旧宇都宮信金本店)で来賓に宇都宮商工会議所の簗郁夫会頭らを迎え、新生栃木信金の看板除幕式を行った。同じくうしんを引き受けた烏山、小山、鹿沼相互、大田原の各信金でも、式典の有無はまちまちだが、地元関係者への挨拶等が行われた。
○新生「栃信」に地元期待大
○石橋町の期待受けて−小山信金


ペイオフ対策、知恵絞る
相互紹介、相談室設置、パンフなど…
○ペイオフ電話相談に連日問い合わせが−旭川信金
○顧客の相互紹介で−青森県信協、都信協
○お年寄りらにパンフ十万部−巣鴨信金


金融機関の突然死≠ノ、金融庁ピリピリ


「単位信金には公的資金を」
「公金預金は全額保護を」

 相互信金の破綻→出資金全額パーで出資者が大騒ぎとなり、信金の「出資金」問題が勃発している。周辺金庫でも出資金流出が見られる上、今後の増資にも支障を来すのではと懸念されている。一方では四月からペイオフが解禁され、一般預金者や地公体が金融機関を見る目は一層厳しくなる。ある関西信金有力筋では、こうした中、信金業界の信用を守るために全信協も抜本的な対策を−と、単位信金への公的資金注入、公金預金の全額保護アピールを提言した。  

大阪信金、5月に相互信金の事業譲受へ

相互信金、出資金で揺れる

城南信金、決算見込み発表



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