2001/10/25号
宇信、経営継続を断念
−78年の歴史に幕
 【宇都宮】ここ数年来、地元栃木県信金業界を始め関信協管内信金内でも経営不振で先行きが憂慮されていた名門信金の宇都宮信金が、ついに経営継続を断念、七十八年の歴史に幕を引くこととなった。十九日金曜日夕刻から地元宇都宮市内で記者会見し、破綻の経過等につき河合耕吉理事長が自ら発表した。宇都宮信金は、業容が県内八信金中、トップであったことに加え、歴代理事長が県協会長はじめ関信協会長、全信協副会長等の要職を務めた業界有数の名門金庫であったため、同信金の経営不振は業界の最大関心事となっていた。特に河合理事長の経営姿勢が終始、優柔不断であったため、明年四月からのペイオフを目前に同業者間でもやきもきする動きが見られた。また懸案だった相援保護分以外の約九億円に及ぶ出資金保護については、県内七信金を始め関信協管内六十三金庫に信金中金を加えて全額保護(RCC移行分除く)する方向になった。不良債権はRCCへ。その他の預貸金、営業店の分割譲渡は金融整理管財人を軸に今後、具体的に詰めていくことになる。  
●最後まで迷走したうしん再編劇
●栃木、烏山、鹿沼相互、小山、大田原に分割事業譲渡に
●預金、出資金とも全額保護
●検査後、資産劣化進む
●「経営者の自覚ない」−記者の声
●金に糸目をつけないゴージャス店舗は高コスト
●「理事長の決断がもう少し早ければ…」県内信金悔やむ


大阪第一破綻、大阪信金に譲渡へ
−府内全信金と信金中金で出資金全額保護
 【大阪】大阪第一信用金庫は、十月十九日、預金保険法に基づく破綻処理申請を金融庁に行った。  同金庫は、昭和四年設立。西田ファミリーの経営する金庫で、昭和四十七年から父親の後を継いで西田文明氏が理事長として経営。前理事長時代は「優良信金」として知られていたが、近年業績は鈍化・低迷傾向で、預金量も府内で最下位になっていた。  特に昨今のバブル崩壊で、大阪中心部を営業地区とする同金庫では不良債権を大きく抱え、経営が悪化。自己資本の増強や店舗売却など、自力再建を模索していたが、近畿財務局が行った八月からの検査で大幅な引当不足が指摘され、三十一億円の債務超過となり、自力再建を断念した。  【大阪第一信金】預金量=四八五億円◇貸出金=三七九億円◇役職員数=九三人◇店舗数=大阪市内に十店舗(うち四つは出張所)


破綻金庫の直前大口出資金集めが祟り、業界が「出資金全額保護」へ
 今回破綻した宇都宮信金、大阪第一信金とも、相援で保護できない分の出資金を、「特例」で、地区協会と信金中金が補填する動きとなっている。
 それまで出資金全額保護をしていた相援が改訂され、最低出資金保護に切り替わったのが、今年四月。小川信金や京都みやこ信金などの「大型破綻」が相次ぎ、信金業界としてもあまりにも負担が大きく、「とても相援資金で破綻信金の出資金全額など払えない」事態になったため、相援制度の改訂が行われたものである。それからわずか半年で今回、事実上制度改訂が「なし崩し」。このため、関係信金筋からかなり反発の声も相当出たようである。


北海、夕張、道央3信金が合併
−山梨では甲府商工と大月が
 十月九日、北海道では北海信金、道央、夕張信用金庫が対等合併し、同日、南三条支店と夕張支店の二ヵ所で「出発式」としてテープカットを行った。
 存続金庫は北海信金で、合併後の名称も北海信金。理事長には北海信金の佐藤明夫氏。本店は余市郡余市町に置く。
 今回の合併により、預金量は約七百億円増の三五一八億円に。貸出金は一八五五億円、店舗数は十二店舗増の三十七店舗、三出張所、三代理店に広がった。
 なお、北海道では、小樽信用金庫(本店・小樽市、理事長・鎌田力氏)が、七月に破たんした小樽商工信組の事業譲受について基本合意書を締結したと十月十八日発表した。来春に譲受の予定。
 山梨では、甲府商工信金(本店・甲府市、理事長・雨宮榮之助氏)と大月信金(本店・大月市、理事長・和光 泰氏)が対等合併することでこのほど合意し、十月二十六日記者発表を行った。十三年三月末で預金量は甲府商工二千八百億円、大月二千三百五十億円。店舗は三十対二十八と、規模的に似通った同士。合併で預金量五千二百億円となり、甲府信金を抜く。


信金年金、正副理事長候補に塚原氏、溝口氏が浮上

第五十四回専門新聞大会、盛況に
 

関財・奥田監理官、殉職
−葬儀しめやかに





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